流氷の名前

■流氷?海氷?
 「流氷」、「海氷」どう違うのでしょうか?実は、当ページでは「海氷」に統一しています。それは、海上保安庁大好きな筆者が、海上保安庁が大好きだからではありません。

 第一管区海上保安本部、海氷情報センターのホームページには、流氷用語が、1970年に世界気象機構(WMO)によって刊行された流氷用語(気象庁海氷用語測候時報第42巻第7冊(昭和50年7月)および気象庁海洋観測指針)を参考にしていることが書かれています。

 海氷観測をする者のバイブル...教科書ですね。こんな私も海洋調査歴が長いので「海洋観測指針」は持っております。
 まあ、流氷を楽しむのに「海氷」だろうが「流氷」だろうが、どうでも良いと筆者は思っています。

さあ!皆さん、流氷の世界へ、ようこそ!!
■成長過程
★新成氷(しんせいひょう)[New ice] 海氷観測の記号(N)
★晶氷(しょうひょう)[Frazil ice] 海氷観測の記号(Cr)
 水中を浮遊する微細な針状あるいは板状の氷です。
★グリース・アイス[Grease ice] 海氷観測の記号(Gr)
 晶氷より後の結氷段階です。
 晶氷が集まってスープ状の層を作ります。
★雪泥(せつでい)[Slush] 海氷観測の記号(Sl)
 氷の上で水を十分含んだ雪、または豪雪後の粘り気のある雪の塊です。
★スポンジ氷[shuga] 海氷観測の記号(Sg)
 直径が数センチの海綿状の白い氷の集合体です。
★二ラス[Nilas] 海氷観測の記号(Ni)
 薄い弾力のある外殻の硬い氷です。
 並やうねりでたやすく曲げられる氷です。
 強く押されると指を組み合わせたような形になります。

★暗い二ラス[Dark nilas] 海氷観測の記号(Nd)
 氷の厚さが5cm以下の非常に暗い色の二ラスです。

★明るい二ラス[Light nilas] 海氷観測の記号(Nl)
 氷の厚さが5cmより厚いニラスです。
★氷殻(ひょうかく)[Ice rind] 海氷観測の記号(R)
 港内のような穏やかな海面で直接結氷する氷です。
 グリースアイスから形成されるもろくて輝いた表面のかたい氷です。
★はす葉氷(はすはごおり[Pancake ice] 海氷観測の記号(P)
 互いにぶつかりあって縁がまくれ上がったほぼ円形の氷です。
 直径は30~3m、氷の厚さが10cmの氷です。
★板状軟氷(ばんじょうなんぴょう)[Young ice] 海氷観測の記号(Y)
 二ラスから一年氷に移る段階の氷です。
 氷の厚さは10~30cm、薄い板状軟氷と厚い板状軟氷に分類されます。

★薄い板状軟氷[Gray ice] 海氷観測の記号(Y1)
 氷の厚さが10~15cmの板状軟氷を言います。
 灰色をしていて、二ラスよりも弾力がなく、うねりによって破壊されます。

★厚い板状軟氷[Gray-white ice] 海氷観測鵜の記号(Y2)
 氷の厚さが15~30cmの板状軟氷を言います。
 灰白色をしていて、圧力によって積み重なるよりも隆起状になります。
★一年氷(いちねんごおり)[First-year ice] 海氷観測の記号(W)
 板状軟氷から発達して、一冬より長くは経過しない海氷で厚さが30~2m、薄い一年氷、並の一年氷、厚い一年氷に分類されます。

★薄い一年氷[Thin first-year ice] 海氷観測の記号(W0)
 氷の厚さが30~70cmの一年氷を言います。

★並の一年氷[medium first-year ice] 海氷観測の記号(W1)
 氷の厚さが70~120cnの一年氷を言います。

★厚い一年氷[Thick first-year ice] 海氷観測の記号(W2)
 氷の厚さが120cmを超える一年氷を言います。
■浮遊の形態
★定着氷(ていちゃくひょう)[Fast ice]
 海岸に接していて形成された定着している海氷で、その場の海水が凍結するか、海氷が海岸に固着して形成させた氷です。
★初期沿岸氷[Young coastal ice]
 二ラスや板状軟氷からなる定着氷の初期の段階です。
 その幅は海岸線から数mから200mまでにおよぶ場合もある。
★氷脚(ひょうきゃく)[Icefoot]
 海岸に沿って固着した狭く長い氷で、潮汐によって以後化されることもなく、定着表が去った後も残っている部分。
★いかり氷(いかりごおり)[Anchor ice]
 氷の生成の過程に無関係に、海底に接触または固着している水中の氷。
★座礁氷(ざしょうごおり)[Ground ice]
 浅瀬に乗り上げた浮き氷。
★流氷(りゅうひょう)[Drift ice]
 定着氷以外のすべての海氷域を含める広義の用語です。
■氷量
★氷量[Ice cover]
 観測範囲内における海氷が占める面積の割合。
「もんべつ海の学校」における観測では、紋別公園から見渡せる約32km以内の範囲の内、紋別港内および第4防波堤から流氷公園に至る水域を除く範囲を10として割合を記録しています。

<<全氷量と視界内海面に占める海氷の割合>>
 氷量	 視界内海面に占める海氷の割合 
 0	 海氷が無い
 0+	 視界内の海面に海氷があるが1割未満
 1	 視界内の海面に1割の海氷ある
 2	    〃   2割の海氷がある
 3	    〃   3割の海氷がある
 4	    〃   4割の海氷がある
 5	    〃   5割の海氷がある
 6	    〃   6割の海氷がある
 7	    〃   7割の海氷がある
 8	    〃   8割の海氷がある 
 9	    〃   9割の海氷がある 
 10-	    〃   ほとんど海氷に覆われているが隙間がある
 10	    〃   すべてが海氷に覆われている
 /	 不明
■流氷の統計量
★流氷初日
 視界外の海域から漂流してきた海氷が視界内の海域に初めて現れた日。
★流氷接岸初日
 海氷が接岸または沿岸の定着氷と接着して沿岸水路がなくなり船舶の航行ができなくなった最初の日。
★海明け
 海氷の全氷量が半分以下となって沿岸水路が形成され、船舶の航行が可能になった日。
★流氷終日
 視界内の海面で海氷が見られた最後の日。
★流氷期間
 流氷初日から流氷終日までの期間。
[参考資料]
・白い海、凍る海~オホーツク海のふしぎ~、青田昌秋(東海大学出版会)、1993
・第一管区海上保安本部 海氷情報センター 海氷の知識 →[ こちら ]