ガリンコ号

■ガリンコ号はこうして生まれた
 日本の流氷観光の先駆けとなったガリンコ号ですが、2021年1月にガリンコ号Ⅲ IMERUが就航しました。

 さて、ガリンコ号は、どのようにして生まれたのでしょうか?!

 1976年、三井造船株式会社で開発がスタートしました。アラスカ、カナダ、ロシアなどの北極海域での油田開発のために人材、資材を輸送する海上・氷上両用の作業船として開発が進められました。

 AST-001は1976年、ATS-002は1980年に試験艇として、各種試験が繰り返されました。試験艇(AST-001)は、海洋公園に展示されています。
■実験船『おほーつく』
 試験艇で蓄積した技術や試験結果を生かし、海域での実証試験をおこなうための試験船が建造されました。三井造船株式会社と財団法人日本船舶用機器開発協会が合同で建造し『おほーつく』と名付けられました。

 紋別港で砕氷実験は、1981年(昭和56年)の建造から1985年(昭和60年)まで行われ、そう運行時間が約700時間に及んだそうです。
■ガリンコ号
【要目】
 全長:24.90m
 全幅:7.6m
 重量:124トン
 速力:5~6ノット(時速約9~11キロ)
 定員:70名(改装前:32名)
①改装前
 船主にあるドリルは、ASV-アルキメディアン・スクリュー・ベッセルと呼ばれていました。ガリンコ号の大きな特徴となっています。

 実験が終了した『おほーつく』は、その後、有効利用できないか「流氷研究」や「観光」等への活用が議論され、紋別市へ無償貸与され、その後、三井造船株式会社の協力のもと改造が施され1987年(昭和62年)に世界初となる砕氷観光船としてデビューしました。
②改装後
 初代ガリンコ号は、1987年(昭和62年)に最大32名を載せられる観光船として就航しましたが、21日間の運航で約2,800名のお客様を乗せました。

 流氷の最盛期には、多くの観光客が殺到し、定員の少なさや運航期間が21日間と短かったため、乗船できないお客様が大勢いました。それらの課題を解決するため、1988年(昭和63年)にガリンコ号の増改築が行われ、船名も『ガリンコ号』に変えられ、最大70名が乗船できる観光船に生まれ変わりました。

 初代ガリンコ号は、1996年3月10日のラストクルーズまでの10年間に約8万200名のお客様をお迎えしたそうです。
 日本船舶海洋工学会は、創立120周年を迎えるにあたり『永く日本の産業や文化を支え、歴史的技術的に価値のある船舟類とそれに関連する設備や技術文書などを、ふね遺産として認定し広く国民に周知すること』として、一般から公募された24件の中から、ふね遺産認定実行委員会による選考を経て9件がふね遺産審査委員会に推薦され、明治記念館(東京)において2017年(平成29年)5月22日開催された審査委員会により、第1回『ふね遺産』の9件に認定されました。
■ガリンコ号Ⅱ
【要目】
 全長:35.00m
 全幅:7.0m
 重さ:150トン
 速力:11ノット(時速約20キロ)
 定員:195名
 「北海道遺産」は、次の世代へ引き継ぎたい有形・無形の財産の中から、北海道民全体の宝物として選ばれます。北海道の豊かな自然、北海道に生きてきた人々の歴史や文化、生活、産業など、各分野から道民参加によって選ばれています。平成13年10月22日に第1回選定分25件が、平成16年10月22日に第2回選定分27件が、そして平成30年11月1日に第3回選定分15件が決定・公表され、北海道遺産は総計67件となりました。「流氷とガリンコ号」は、第二回『北海道遺産』に「47」として認定されました。
  引用:国立科学博物館 産業技術史資料情報センター 
■ガリンコ号Ⅲ IMERU
【要目】
 全長:45.55m
 全幅:8.5m
 重さ:370トン
 速力:16ノット(時速約29キロ)
 定員:235名 
①建造・進水
②回航
③2020年
④2021年
[参考文献]
・広報「もんべつ」2020年11月号
・広報「もんべつ」2020年12月号
・広報「もんべつ」2021年1月号